1.3 調査の方法
1.3.1 生命システムとのアナロジー(L−エナジェテイクス) 現在の生物は、進化の産物であると言われている。人口システムが機能をトップダウン的に決定し、無駄を排したメカニズムを持つのに対し、生物進化は、壊れても作り直し、場合によっては他の生物をも取り込んで代替する柔軟性を持ったシステムを実現している。生命をエネルギーシステムとして捉え、産業エネルギー技術にとって有望なエネルギー原理をL−エナジェティクスと呼ぶことにする。生命から学んだL−エナジェテイクスの基本メカニズムを体系化する。 1.3.2 「生命に学ぶ」エネルギー技術 生命活動から我々にとって真に有益なエネルギー技術を学ぶために、以下のような調査プロセスを経ている。 「L−エナジェティクス」という概念を新たに定義したうえで、生体におけるエネルギー技術に関する最先端の研究課題、トピックスをデーターべースの文献検索により抽出し、生体のエネルギー技術について新たな視点で体系化を行った。次にこれらエネルギー技術から我々が利用しうる技術を学ぶために、その機能特性、組立原理等を学び、その基本メカニズムの明確化を行った。これらの基本原理を学んだ上で、生体のエネルギー戦略を再度体系化し、その中から我々が学ぶべき新エネルギーコンセプトの抽出を行った。以下に文献検索の手順を示す。 (1) 概要 生命科学の分野での最近の研究動向を世界最大のオンライン情報検索システムDIALOGを用いて調査し、工学的応用の観点から分類・体系化を行った。 (2) 使用データベース Biosis:生化学、バイオテクノロジー、細胞生物学、植物学、遺伝学、病理学、薬理学等、生命科学の研究題目全て収録対象。約9000誌の一次雑誌、モノグラフ、単行本、その他より収録。 収録期間:1985年より現在。 データ追加頻度:月2回(毎回約22500件追加) 収録件数:270万件以上(1990年5月現在) (3) 検索手順 検索手順を以下に示す。
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